むちうちの日常生活で注意することは? 医師に確認したい項目と順番
先生、追突事故のあと整形外科でむちうちと言われました。首が重くて、家事や仕事、お風呂や車の運転まで、どこまで普段どおりにしていいのか分からなくなってしまったんです。何に気をつけて生活すればいいのでしょうか?
事故のあとは、体のことも手続きのことも気になって落ち着かないですよね。最初にお伝えしたいのは、むちうちの時期の過ごし方は、診察した医師の指示がいちばん優先だということです。安静にする度合い、体を動かすこと、入浴、運転、仕事の再開などは、けがの状態によって判断が変わるからです。今日は「何を医師に確認すればいいか」と「生活の中で気づいた変化をどう伝えるか」を一緒に整理していきましょう。
むちうちの時期の生活は「医師の指示」が出発点
インターネットで調べると「安静にしたほうがいい」という記事と「動いたほうがいい」という記事があって、どちらを信じればいいのか迷ってしまいます。
迷うのは自然なことです。むちうちと呼ばれる状態にもいろいろあり、どのくらい動いてよいかは、医師が診察や検査の結果をもとに判断することです。ネットの一般論をそのまま自分に当てはめるより、受診のときに医師へ直接聞くほうが確実です。症状の出方や経過には個人差があるので、知り合いと同じやり方が自分に合うとも限りません。
事故直後はそこまで痛くなかったので、受診しなくてもよかったのかなと思っていたんです。
国土交通省は、その場では軽傷だと思っても、あとで意外とケガが重かったという例もあるとして、速やかに医師の診断等を受けるよう案内しています。日本損害保険協会も、医療機関を受診し、医師の指示に従い適切に治療を受けるよう呼びかけています。まず整形外科などの医療機関で医師の診察を受け、そのうえで生活の注意点を確認するのが順番です。
医師に確認しておきたい項目を、生活の場面ごとに表にまとめました。答えは人によって違うので、表には「何を聞くか」だけを書いています。
| 生活の場面 | 医師に確認したいこと |
|---|---|
| 安静・休み方 | どのくらい安静にするか、横になって過ごす時間をどう考えるか |
| 体を動かすこと | 散歩や家事、運動をしてよいか、いつから・どの程度か |
| 入浴 | 湯船に入ってよいか、シャワーにしたほうがよいか |
| 首の固定具 | 固定具を使う場合、使う時間や外してよい場面 |
| 睡眠 | 枕や寝る姿勢で気をつけることがあるか |
| 車・自転車の運転 | 運転してよいか、処方された薬と運転の関係 |
| 仕事・家事 | 仕事に戻る時期、避けたほうがよい作業があるか |
| 通院 | 次の受診日、整骨院での施術を併用してよいか |
表にすると、聞き忘れが減りそうです。メモに書いて持っていけばいいですか?
はい、受診のときに表を見ながら質問すると落ち着いて話せます。医師から言われたことは、その場でメモに残しておくと、家族や職場に説明するときにも役立ちます。分からない言葉があれば、遠慮せずに聞き返してください。
安静・入浴・睡眠は自己判断で決めない
首が痛いときは、温めたほうがいいのか冷やしたほうがいいのか、どちらでしょうか?
温めるか冷やすか、湯船に入ってよいかは、けがの状態によって医師の判断が変わるところなので、ここで一律にお答えすることはできません。受診のときに「入浴はどうすればいいですか」と具体的に聞いてみてください。湿布などを処方された場合も、使い方は医師や薬剤師の説明に従ってください。
寝るときの枕の高さや、寝る姿勢も気になっています。
それも医師に確認したい項目です。首の固定具を使うよう言われた方は、寝るときに外してよいかも一緒に聞いておくと安心です。体を動かすことについても、ストレッチや運動を自己流で始める前に、医師にしてよいかを確認してください。
眠り・集中しにくさなど生活の中で気づく変化
首のことだけでなく、事故のあとから寝つきが悪くて、仕事中もぼんやりすることがあります。これは気にしすぎでしょうか?
気にしすぎと決めつけず、医師に伝えてください。江戸川区のリーフレットでは、交通事故などで頭を打ったり強く揺さぶられたりすると脳損傷が起こることがあるとして、主な症状に注意散漫や集中できない、記憶できない、睡眠障害、めまい、頭痛、吐き気などを挙げています。原因が何かを判断するのは医師なので、生活の中で気づいた変化は、首の痛みと分けずに受診のときに話してください。
自分では言い出しにくい症状もあるので、書いておいたほうがよさそうですね。
そうですね。いつから、どんな場面で、どのくらい続いたかをメモしておくと伝えやすくなります。記録の残し方は「ドライブレコーダーの映像など事故の証拠はどう残す? 記録の順番」でも紹介しています。
車の運転と薬のこと
通勤で車を使うのですが、首が回しにくいときに運転してもいいのでしょうか?
運転してよいかどうかは、首の状態を診ている医師に確認してください。警察庁の資料では、道路交通法第66条で、過労や病気、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならないとされていることが紹介されています。首が回しにくい、痛みで集中しにくいなど、運転に不安があるときは、医師に相談して判断してください。
病院で痛み止めなどの薬を出してもらった場合はどうなりますか?
同じ警察庁の資料では、市販薬は添付の説明書を読み、運転をしない旨や睡眠作用などのある旨の記述がある風邪薬などを飲んだときは運転をしないよう呼びかけています。医療用の薬についても、医師や薬剤師の指示を守って運転し、不安がある場合は医師や薬剤師に相談するよう案内しています。処方された薬と運転の関係は、薬を受け取るときに薬剤師にも確認しておくと安心です。
仕事・家事と通院の両立
仕事をどのくらい休むか、いつから元どおりに働いていいかも分からなくて困っています。
仕事に戻る時期や、避けたほうがよい作業があるかは、医師に確認してください。デスクワークか、重い物を運ぶ仕事か、運転が多い仕事かで、医師の判断が変わることもあるので、仕事の内容を具体的に伝えるのがコツです。休み方や働き方の調整は、医師の意見をもとに職場と相談しましょう。
家事も、どこまでやっていいのか迷います。
家事も同じで、洗濯物を干す、掃除機をかける、買い物の荷物を持つなど、具体的な動作を挙げて医師に聞くと答えをもらいやすくなります。日本損害保険協会は、医師の指示に従って適切な治療を行い、保険会社に正しい治療状況を伝えることを呼びかけています。仕事を休みにくいときの考え方は「交通事故で仕事を休めないときの通院は? 医師への相談と休業損害の基本」で詳しく説明しています。
早めに医療機関へ相談したい症状
生活していて、どんな症状が出たらすぐ病院に行ったほうがいいですか?
江戸川区のリーフレットでは、頭を打った直後に症状がなく、数時間から数日、場合によってはさらに経過してから症状が現れることがあるとして、頭を打った後に次のような症状がある時には医療機関を受診するよう案内しています。日本損害保険協会も、事故の直後には大したけがでないと思っても、あとから症状が発生したり、重いけがが判明したりすることがあるとしています。
| 頭を打った後に受診したい症状 (江戸川区リーフレットより) |
|---|
| 意識状態がいつもと違う |
| 事故後の記憶がない |
| 手足に力が入りにくい |
| 手足がしびれる |
| けいれん・吐き気 |
| めまい・頭痛 |
夜や休日にこうした症状が出たら、どうすればいいでしょうか?
日本損害保険協会は、至急医療機関にかかる必要のあるけがの場合は、まずは医師への受診を優先し、落ち着いてから保険会社に連絡するよう案内しています。手続きのことは後からでも相談できるので、体のことを先に考えてください。頭痛やめまいが気になる場合は「交通事故の頭痛やめまいが後から出たら? 最初に医療機関へ行く理由」も参考にしてください。
整骨院に通う場合の順番
首の痛みについて、整骨院にも通ってみたいと思っています。何から始めればいいですか?
順番が大切です。事故のあとは、警察へ届け出る、整形外科などの医療機関で医師の診察を受ける、保険会社へ連絡する、そのうえで医師に相談してから整骨院への通院を考える、という流れになります。日本損害保険協会も、医療機関以外ではレントゲンなどの画像検査ができない場合があるため、整骨院などでのリハビリを希望する場合は医師と相談のうえにするのがよいとしています。
整骨院に通い始めたら、生活の注意も整骨院で聞けばいいですか?
いいえ、むちうちの判断や生活上の指示は医師が行うものです。整骨院では、医師に相談した内容を伺い、痛みの状態を確認しながら施術を行います。生活のことで迷ったら、整骨院から「医師に確認してください」とお伝えすることになります。医療機関への受診は続けてください。
保険会社にも連絡が必要なんですね。
はい。日本損害保険協会は、医師の指示を無視して事故と関係のない治療を受けたり、同意書を返送しなかったりするなど必要な協力を行わないと、保険会社は医療機関への直接支払いを行えないと説明しています。通院先を増やすときは、医師と保険会社の両方に伝えておきましょう。整形外科との併用の流れは「交通事故で整骨院と整形外科を併用する正しい順番と注意点」にまとめています。
よくある質問
むちうちのとき、お風呂には入っていいですか?
入浴してよいか、湯船とシャワーのどちらがよいかは、けがの状態によって医師の判断が変わります。一律にお答えできないため、受診のときに医師に確認してください。
痛み止めを飲んでいる間、車の運転はしてもいいですか?
警察庁の資料では、道路交通法第66条で薬物の影響などにより正常な運転ができないおそれがある状態での運転が禁止されていることが紹介され、医療用の薬は医師や薬剤師の指示を守って運転し、不安があれば相談するよう案内しています。首の状態も含めて、運転してよいかは医師や薬剤師に確認してください。
事故から数日たってから手足のしびれが出てきました。次の受診日まで待っていいでしょうか?
次の予約日を待たずに、早めに医療機関へ相談してください。日本損害保険協会は、事故の直後には大したけがでないと思っても、あとから症状が発生したり、重いけがが判明したりすることがあるとしています。頭を打っていた場合は、江戸川区のリーフレットでも、頭を打った後に手足がしびれる、めまい・頭痛、けいれん・吐き気などの症状がある時には医療機関を受診するよう案内しています。国土交通省も、速やかに受診をしない場合には交通事故との因果関係が認められないことがあると案内しています。
整骨院で生活の注意を教えてもらえば、整形外科には行かなくてもいいですか?
いいえ、整形外科などの医療機関への受診は続けてください。むちうちの判断や生活上の指示は医師が行います。国土交通省の交通事故被害者ノートでも、軽傷であっても治療費等の請求には医師による診断が必要になると案内されています。
何でも自分で決めようとして疲れていましたが、医師に聞くことをメモにまとめればいいと分かって、少し気持ちが軽くなりました。
それで大丈夫です。体の動かし方や入浴、運転、仕事の再開は医師に、薬のことは医師や薬剤師に、手続きは保険会社に、と分けて確認していきましょう。症状の出方や経過には個人差があるので、ほかの人と比べて焦る必要はありません。医師と相談して整骨院での施術を受けることになった場合は、痛みの状態を確認しながら施術を行います。
院の案内
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | らいと鍼灸・整骨院 |
| 柔道整復師 | 佐藤 亮 (さとう りょう) |
| 所在地 | 東京都江戸川区東小松川2-11-9 KYSビル1F |
| 電話 | 03-5879-6685 |
| 施術時間 | 午前 8時30分〜12時30分 / 午後 15時00分〜20時00分 (土曜は 8時30分〜14時30分) |
| 休み | 日曜・祝日・水曜午後 |
| 予約 | 予約制 |
| 駐車場 | なし (近隣にコインパーキングあり) |
※この記事は交通事故後の一般的な流れを説明するものです。症状の判断は医師に、保険の取り扱いは加入先の保険会社に、示談や賠償額は弁護士などの専門家にご確認ください。制度の内容は記事作成日時点のものです。



