交通事故の示談の前に注意することは? 確認の順番と相談のタイミング

ユイ

先生、相手の保険会社から「そろそろ示談のお話を」と言われました。示談の前に気をつけておくことはありますか?

院長 佐藤

大事なところで立ち止まって考えるのは良いことだと思います。示談は一度まとまると、あとから内容を変えるのが難しいものです。今日は、示談がどういうものか、示談の前に何を確認しておくか、どのタイミングで専門家に相談するかを順番に見ていきましょう。

ユイ

先生に示談の内容を見てもらうことはできますか?

院長 佐藤

示談の内容や金額、過失割合を判断するのは弁護士などの専門家の領域なので、整骨院の私がお答えすることはできません。今日お話しするのは、2026年10月29日に国土交通省と日本損害保険協会の公式ページで確認できた一般的な仕組みです。ご自身の示談をどう進めるかは、弁護士や公的な相談窓口、保険会社に確かめてください。

示談とは何か やり直しが難しい理由

ユイ

そもそも示談とはどういうものなのでしょうか?

院長 佐藤

日本損害保険協会の説明では、交通事故の示談は裁判以外での話し合いによる解決方法で、主な目的は事故の責任割合の決定と損害賠償額の合意です。加害者と被害者が直接、または保険会社を通して交渉を進めます。多くの交通事故では、まず示談での解決を目指すのが一般的だとされています。

ユイ

一度決めたら変えられないというのは本当ですか?

院長 佐藤

同じ協会のページでは、示談が成立すると両者に合意した内容を守る責任が生じるため、通常その内容を変更できないと説明されています。別のページでも、示談が完了すると基本的に示談内容の変更や修正はできないので、疑問や不安は解消してから示談を行うよう呼びかけています。やり直しが難しいからこそ、示談の前の確認が大切になります。

ユイ

書類にサインをすると示談になるのですか?

院長 佐藤

人身事故では、保険会社と内容について合意すると「免責証書」という書類が送られてくるのが一般的だと協会は説明しています。免責証書は、示談金以上の損害賠償を加害者に請求しないことを約束する書類で、被害者だけが署名と捺印をしますが、示談書と同等の効力を持つとされています。

示談はいつ始まるのか 治療の終了と症状固定

ユイ

示談の話は、いつごろ出てくるものなのでしょうか?

院長 佐藤

日本損害保険協会によると、人身事故の示談は、必要な治療を終えてから始まります。けがの治療が終わったとき、または後遺障害の等級が認定されたときに、示談交渉に進むと説明されています。示談がまとまるまでの期間は、事故の状況やけがの状態によって違うとされています。

ユイ

治療が終わったかどうかは、誰が決めるのですか?

院長 佐藤

医師です。国土交通省は、症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行ってもその効果が期待できなくなった状態を「症状固定」と呼び、医師が判断するとしています。症状が残っているかどうか、治療を続ける必要があるかどうかも、医師が診察して判断します。症状の経過には個人差があるので、保険会社から示談の話が出ても、体の状態は必ず医師に診てもらってください。

ユイ

まだ痛みがあるのに示談の話が来たら、どうすればいいですか?

院長 佐藤

まずは医師に今の症状を伝えて、治療を続けるかどうかを相談してください。そのうえで、医師から受けた説明を保険会社に伝え、示談の時期を急ぐ必要があるのかを確かめましょう。治療費の支払いの終了を打診された場合の考え方は「交通事故の治療費打ち切りを打診されたら? 考え方と相談先の順番」に、症状固定については「交通事故の症状固定とは? 意味と判断する人、その後の流れ」にまとめています。

示談の前に確認しておきたいこと

ユイ

示談案が届いたら、どこを見ればいいのでしょうか?

院長 佐藤

日本損害保険協会によると、治療が終わると電話や郵送などで保険会社から示談案が示され、内訳には一般的に治療費、慰謝料、休業損害などが含まれます。示談案と一緒に、損害をまとめた一覧表などの関係書類が届くこともあるそうです。内容に納得できないときは、保険会社の担当者にその旨を伝えるよう協会は案内しています。

ユイ

確認することが多くて、何から手をつければいいか迷いそうです。

院長 佐藤

協会の説明や国土交通省のページで確認できたことを、確認する相手ごとに表にしました。分からない項目があれば、その欄の相手に聞いてください。

確認すること 内容 確認する相手
体の状態 症状が残っていないか、治療を終えてよいか、後遺障害の手続きが必要か 医師
示談案の内訳 治療費、慰謝料、休業損害などの項目と、その計算のもとになった内容 相手の保険会社
過失割合 自分の責任割合がどう決められたか 相手の保険会社、弁護士、公的な相談窓口
証拠資料 交通事故証明書、診断書、領収書、修理費の見積書、損傷の写真など 自分で手元にそろえる
免責証書・示談書 交渉した内容が正しく書かれているか 署名の前に自分で確認。迷えば弁護士などへ
弁護士費用特約 自分の保険に付いているか、今回の事故で使えるか 自分が入っている保険会社
請求の期限 自賠責保険の請求期限、損害賠償請求の時効 保険会社、弁護士
ユイ

証拠資料も示談に関係するのですね。

院長 佐藤

協会は、示談の手順の最初に、自分の請求内容を裏づける資料として交通事故証明書、診断書、領収書、自動車の修理費の見積書、損傷の画像などを集めることを挙げています。治療費を自分で払った場合は、領収書を保管しておくようにも案内されています。国土交通省も、事故直後の記憶がはっきりしているうちに、現場の見取図や事故の経過、写真などの記録を残すことが大切だとしています。

ユイ

弁護士費用特約というのは何ですか?

院長 佐藤

協会によると、示談交渉や裁判などの際に発生する弁護士費用を補償する、損害保険に付けられる特約です。自動車保険や火災保険に付いていれば、補償額の範囲内で保険金が支払われるとされています。使えるかどうかは事故の状況や契約内容によって違うので、弁護士への依頼を考える前に、ご自身の保険会社に確認しておきましょう。

期限に気をつける 自賠責保険の請求期限と時効

ユイ

示談に期限はあるのですか? ゆっくり考えていたら間に合わなくなることはありますか?

院長 佐藤

期限については、国土交通省のページで自賠責保険 (車を持つ人が必ず入る保険) の請求期限を確認できました。被害者が自分で請求する場合、けがは事故発生の翌日から3年以内、後遺障害は症状固定日の翌日から3年以内とされています。この期限を過ぎると時効で請求する権利が消えるとされています。

自賠責保険への被害者請求 いつから 期限
傷害 (けが) 事故発生 事故発生の翌日から3年以内
後遺障害 症状固定 症状固定日の翌日から3年以内
ユイ

請求が遅れそうなときはどうすればいいですか?

院長 佐藤

国土交通省は、何らかの理由で請求が遅れてしまう場合は時効更新の制度があるので、各損害保険会社に相談するよう案内しています。なお、平成22年3月31日以前に起きた事故では、請求できる期間は2年以内とされています。

ユイ

相手に損害賠償を請求する権利にも時効があるのですか?

院長 佐藤

国土交通省の「交通事故被害者ノート」では、消滅時効が完成して損害賠償請求ができなくなったり、相手のペースで物事が進んで取り返しのつかない事態になったりしないよう、疑問があれば早い段階で弁護士に相談するよう呼びかけています。ただ、相手への損害賠償請求の時効が具体的にいつまでかは、今回確認した公的なページでは確かめられませんでした。ご自身の場合の期限は、弁護士や公的な相談窓口、保険会社に確認してください。

専門家に相談するタイミング

ユイ

弁護士さんに相談するのは、示談がこじれてからでいいのでしょうか?

院長 佐藤

先ほどの被害者ノートでは、疑問があれば早い段階で弁護士に相談するよう勧めています。日本損害保険協会も、過失割合や損害賠償額に疑問や不安があるときは、保険会社の担当者に質問したり、弁護士などの専門家に相談したりしてから示談を行うよう案内しています。こじれるのを待つ必要はなく、迷った時点が相談のタイミングだと考えてください。

ユイ

どんな場面で、どこに相談すればいいかを知りたいです。

院長 佐藤

国土交通省「相談先にお困りのときは?」と日本損害保険協会のページで確認した内容をもとに、場面ごとの主な相談先を表にしました。

こんなとき 主な相談先
示談案の金額や項目が適切か分からない 日弁連交通事故相談センター、区や都道府県の交通事故相談
過失割合に納得できない 日弁連交通事故相談センター、交通事故相談所、弁護士
任意保険会社との示談がまとまらない 交通事故紛争処理センター (電話で面接相談を予約)、日弁連交通事故相談センター
自賠責保険の支払額や後遺障害等級に納得できない まず保険会社に異議申立。紛争は自賠責保険・共済紛争処理機構
相手が保険に入っていない 弁護士、公的な相談窓口
どこに相談すればいいか分からない ナスバ交通事故被害者ホットライン (0570-000738)
ユイ

日弁連交通事故相談センターは、電話でも相談できるのですか?

院長 佐藤

国土交通省のページによると、日弁連交通事故相談センターでは、弁護士が自動車事故の損害賠償問題について電話相談と面接相談に無料で応じています。電話相談は0120-078325で、月曜から金曜の10時00分〜19時00分 (祝日を除く)、1人10分程度とされています。当事者同士の話し合いがつかないときは、弁護士が中立の立場で間に立つ示談あっ旋も行っているそうです。

ユイ

江戸川区にも相談できるところはありますか?

院長 佐藤

江戸川区のページでは、交通事故に遭った人や起こした人のために、法律や判例などに基づいた無料相談を行っていて、損害賠償などで困ったときは一人で悩む前に連絡してほしいと案内しています。元警察官の交通事故相談員によるアドバイスで、予約は03-5662-1998です。ほかの窓口の受付時間や費用は「交通事故の相談窓口はどこ? 公的な窓口の種類と使い分けの順番」にまとめています。

ユイ

示談がまとまらなかったら、どうなるのでしょうか?

院長 佐藤

日本損害保険協会によると、示談がまとまらない場合の主な選択肢として、裁判外紛争解決手続、民事調停、民事訴訟 (裁判) が挙げられています。裁判になると、けがの事実や治療の必要性、損害額などを自分で立証する必要があるため、弁護士に依頼するのが一般的だとされています。どの方法が合うかは、弁護士や相談窓口で聞いてみてください。

整骨院ができること・できないこと

ユイ

整骨院に通っている場合、示談の前に先生にお願いできることはありますか?

院長 佐藤

整骨院ができるのは、施術を通して痛みの状態を確認し、その経過をお伝えすることまでです。示談の内容や金額、過失割合について判断や助言をしたり、保険会社と交渉したりすることはできません。症状が残っているかどうか、治療を続けるかどうかの判断も医師が行います。

ユイ

整骨院に通い始めるときの順番も、もう一度教えてください。

院長 佐藤

国土交通省は、交通事故にあったときの警察への報告は義務だとしています。また、その場では軽いけがだと思っても、あとで重かったという例があるため、速やかに医師の診察などを受けるよう呼びかけています。警察へ届け出て、医療機関で医師の診察を受け、保険会社に連絡し、そのうえで医師に相談してから整骨院への通院を考えるのが順番です。日本損害保険協会も、整骨院などでの施術を希望する場合は医師と相談のうえで受けるよう案内しています。

内容 相談する相手
症状が残っているか、治療を続けるか 医師
示談案の内容、手続きの進め方 保険会社
示談金の額、過失割合、示談するかどうか 弁護士、公的な相談窓口
施術を受けているときの痛みの状態 施術を担当する柔道整復師

よくある質問

ユイ

示談の前に、整骨院や病院への通院は続けたほうがいいですか?

院長 佐藤

通院を続けるかどうかは、示談のためではなく体の状態で決めるものです。今の症状を医師に伝えて診察を受け、治療を続ける必要があるかを相談してください。整骨院での施術を続けるかどうかも、医師と相談したうえで決めていきましょう。

ユイ

示談書や免責証書にサインしたあとで、新しい痛みが出たらどうなりますか?

院長 佐藤

日本損害保険協会は、示談が完了すると基本的に内容の変更や修正はできないとしています。ご自身の場合にどうなるかは事情によって違うので、弁護士や公的な相談窓口に相談してください。だからこそ、署名の前に医師に体の状態を確認しておくことが大切です。

ユイ

保険会社から示談を急がされたら、すぐに応じないといけませんか?

院長 佐藤

日本損害保険協会は、疑問や不安は解消してから示談を行うよう案内しています。分からない点は保険会社の担当者に質問し、それでも判断できないときは弁護士や公的な相談窓口に相談してください。期限が気になる場合は、保険会社や弁護士に確認しましょう。

ユイ

自賠責保険の請求期限はいつまでですか?

院長 佐藤

国土交通省によると、被害者が自分で請求する場合、けがは事故発生の翌日から3年以内、後遺障害は症状固定日の翌日から3年以内です。請求が遅れそうなときは、保険会社に時効更新の制度について相談するよう案内されています。

ユイ

示談の前に、体のことは医師、示談の中身は専門家に確認すればいいと分かって、少し落ち着きました。

院長 佐藤

示談はやり直しが難しいので、迷いがあるうちは署名を急がないことが大切です。医師と相談したうえで整骨院での施術を受けることになった場合は、痛みの状態を確認しながら施術を行います。

院の案内

項目 内容
名称 らいと鍼灸・整骨院
柔道整復師 佐藤 亮 (さとう りょう)
所在地 東京都江戸川区東小松川2-11-9 KYSビル1F
電話 03-5879-6685
施術時間 午前 8時30分〜12時30分 / 午後 15時00分〜20時00分 (土曜は 8時30分〜14時30分)
休み 日曜・祝日・水曜午後
予約 予約制
駐車場 なし (近隣にコインパーキングあり)

※この記事は交通事故後の一般的な流れを説明するものです。症状の判断は医師に、保険の取り扱いは加入先の保険会社に、示談や賠償額は弁護士などの専門家にご確認ください。制度の内容は記事作成日時点のものです。