交通事故の通院頻度はどう決める? 症状と医師の指示に合わせる考え方
先生、追突事故のあと整形外科に通っているのですが、どのくらいの頻度で通えばいいのか分からなくて困っています。週に何回と決まっているものなのでしょうか?
迷いますよね。結論からお伝えすると、交通事故だから何回という決まった回数はありません。通院の頻度は、ユイさんの今の症状と、それを見た医師の判断で決まるものです。今日は、頻度をどう考えればよいか、誰に何を相談すればよいかを順番に見ていきましょう。
知り合いから「できるだけ多く通ったほうがいい」と言われて、焦っていました。
その言葉で通い方を決めるのはやめておきましょう。多く通えばよいわけでも、少なく通えばよいわけでもありません。体の状態に合った間隔で通うことがいちばん大切です。症状や経過には個人差があるので、ほかの人の通い方をそのまま当てはめることもできません。
通院の頻度は誰がどう決めるのか
頻度を決めるのは医師、ということですか?
はい、軸になるのは医師です。国土交通省は、事故にあったら速やかに医師の診断等を受けるよう呼びかけています。日本損害保険協会も、医療機関を受診し、医師の指示に従って適切に治療を受けるよう案内しています。どのくらいの間隔で受診するかも、その医師の指示の中に含まれると考えてください。
私のほうから「もっと来たほうがいいですか」と聞いてもいいのでしょうか?
もちろんです。むしろ、聞かないままなんとなく通うより、はっきり確かめておくほうが安心です。次の受診はいつ頃がよいか、症状が強くなったら早めに来てよいか、といった点を診察のときに聞いておきましょう。
| 立場 | 通院の頻度とのかかわり |
|---|---|
| 医師 | 症状を見て、通院が必要か、どのくらいの間隔がよいかを判断する |
| 本人 | 痛みや動かしにくさの変化を、ありのまま医師に伝える |
| 整骨院 | 医師の意見をふまえて、施術の予定を本人と相談する |
| 相手の保険会社 | 通院や治療の状況を確認する。頻度を決める立場ではない |
時期によって通い方が変わることがある
事故から時間がたつと、通い方も変わるものですか?
変わることはあります。たとえば事故から間もない時期は、医師が経過をこまめに見たいと考えることがあります。症状が落ち着いてくると、間隔をあけて様子を見ることになる場合もあります。ただ、これはあくまで一つの例で、どう変わるかは人によって違います。
自分で「もう大丈夫そう」と思ったら、通うのをやめてもいいですか?
自分だけで判断せず、まず医師に相談してください。痛みが軽くなってきたことも大切な情報なので、そのまま医師に伝えましょう。反対に、いったん楽になったのにまた痛みが出てきたときも、早めに医療機関で診てもらってください。事故のあと症状が後から出ることについては「交通事故のむちうち症状はいつから? 後から痛むときの受診タイミング」でくわしく書いています。
| 状況 | 考え方 | 相談先 |
|---|---|---|
| 事故から間もない | 医師が経過を見たい時期。指示された受診日を守る | 医師 |
| 症状が落ち着いてきた | 間隔を変えるかどうかは医師に確認する | 医師 |
| 痛みがぶり返した、新しい症状が出た | 次の予約を待たずに受診してよいか確認する | 医師 (急ぐときは医療機関へ) |
| 通院をやめたいと感じた | 自己判断で中断せず、今の状態を伝えて相談する | 医師 |
整形外科と整骨院を併用するときの頻度
整骨院にも通いたいと思っているのですが、その場合の頻度はどう考えればいいですか?
まず順番を守ることが大切です。整形外科などの医療機関で医師の診察を受け、整骨院での施術を受けたいことを医師に相談します。そのうえで相手の保険会社に通院先を伝え、医師の意見をふまえて整骨院での施術の予定を決めていきます。整骨院の頻度だけを先に決めてしまうのは避けてください。
整骨院に通い始めたら、整形外科には行かなくてもいいのでしょうか?
いいえ、整形外科への受診は続けてください。日本損害保険協会は、医療機関以外ではレントゲンなどの画像検査ができない場合があり、整骨院などでのリハビリを希望する場合は医師と相談のうえ受診するのがよいとしています。症状の判断は医師が行うものなので、整骨院に通っている間も、医師に経過を見てもらうことが欠かせません。併用の進め方は「交通事故で整骨院と整形外科を併用する正しい順番と注意点」にまとめています。
骨折していた場合も同じですか?
骨折や脱臼の場合は決まりがあります。柔道整復師法第17条で、柔道整復師は医師の同意を得た場合のほか、脱臼または骨折の患部に施術をしてはならないとされています (応急手当を除きます)。この場合は、施術を受けるかどうかも含めて、必ず医師の判断が先になります。
| 確認すること | 確認する相手 |
|---|---|
| 整骨院での施術を受けてよいか | 医師 |
| 整形外科への受診の間隔 | 医師 |
| 整骨院に通うことを伝えたか | 相手の保険会社 |
| 整骨院での施術の予定 | 医師の意見をふまえて整骨院と相談 |
仕事や家事で通えないとき
仕事が忙しくて、医師に言われた日に行けないことがあります。どうすればいいですか?
行けないことがあるのは自然なことなので、自分を責めなくて大丈夫です。大切なのは、行けなかった事情や、その間の症状を次の診察で正直に伝えることです。通える曜日や時間帯に限りがあるなら、それも医師に伝えて、無理のない受診の予定を相談してみてください。
通院の間があくと、何か困ることはありますか?
日本損害保険協会は、治療費は加害者から賠償されるのが原則としつつ、けがに対する治療が必要で妥当なものかが争点になる場合は、被害者の自己負担になるおそれがあると説明しています。通院の間があいた理由が分からないと、あとでその点を説明しにくくなることがあります。だからこそ、仕事の都合で行けなかった、といった事情をその都度メモしておくと役に立ちます。
| メモしておくこと | 例 |
|---|---|
| 通院した日と通院先 | 整形外科、整骨院のどちらに行ったか |
| 行けなかった日と理由 | 出張、残業、子どもの急な発熱など |
| 症状の変化 | 朝のこわばりが軽くなった、雨の日に首が重い、など |
| 医師に言われたこと | 次の受診の目安、生活で気をつけること |
誤解しやすいこと
通院の回数が多いほど、最後に受け取れるお金が多くなると聞いたことがあります。本当ですか?
お金のことを理由に通院の回数を決めるのはやめてください。通院は症状に応じて必要な分だけにするものです。自賠責保険では、治療費も柔道整復師の施術費用も「必要かつ妥当な実費」が支払われるとされています。必要のない通院は、保険金の不正な請求と受け取られるおそれもあります。
では、反対に通院を控えめにしたほうがいいのでしょうか?
それも違います。痛みがあるのに遠慮して受診を減らす必要はありません。多くも少なくもなく、医師が必要と判断した間隔で通うことが基本です。賠償の金額や示談のことが気になるときは、弁護士や交通事故相談センターなどの相談窓口に聞いてください。
「交通事故の通院は毎日がよい」という話を見かけたこともあります。
一律に毎日がよいと言えるものではありません。どのくらいの間隔がよいかは、けがの状態や経過によって違います。気になる情報を見かけたら、そのまま医師に「私の場合はどうですか」と聞いてみるのが確実です。
保険会社から通院状況を聞かれたら
相手の保険会社から「どのくらいの頻度で通っていますか」と電話がありました。どう答えればいいですか?
日本損害保険協会によると、けがの治療中は、通院や治療の状況、体の回復の度合いなどを確認するために、保険会社から連絡があるのが一般的です。聞かれたら、実際に通った頻度と今の症状を、ありのまま伝えれば十分です。医師から次の受診について言われていることがあれば、それも伝えましょう。
保険会社の人に「もう少し間隔をあけては」と言われたら、従うべきですか?
保険会社は症状を判断する立場ではないので、その場で決める必要はありません。「医師に相談してから改めて連絡します」と伝え、次の診察で医師の意見を聞いてください。日本損害保険協会は、通院を続けたい場合には、担当の医師に改めて相談し、医師の見解もふまえて保険会社に相談するよう案内しています。保険会社とのやり取りの基本は「交通事故で保険会社に連絡するとき何を伝える? 聞かれることの一覧」でも書いています。
支払いを終えたいと言われた場合はどうなりますか?
その場合も、最初にするのは医師への相談です。打診を受けたときの考え方と相談先は「交通事故の治療費打ち切りを打診されたら? 考え方と相談先の順番」にまとめています。話がかみ合わないときは、江戸川区の交通事故相談のような公的な窓口も使えます。江戸川区の相談は月曜日から木曜日 (祝休日を除く) に行われていて、面談は事前に電話で予約します。
よくある質問
整形外科と整骨院に同じ日に行ってもいいですか?
同じ日に行くかどうかも含めて、通い方は医師に相談して決めてください。整骨院での施術を受けることについて医師の意見を聞いたうえで、整骨院にも医師から言われたことを伝えてもらえると、無理のない予定を立てやすくなります。
医師から通院の頻度について特に何も言われていません。どうすればいいですか?
次の診察で、次はいつ頃来ればよいか、症状が強くなったら早めに来てよいかを聞いてみてください。言われたことはメモしておくと、整骨院や保険会社に伝えるときにも役立ちます。
通院の間隔があいてしまいました。もう通えないのでしょうか?
そう決まっているわけではありません。まず医療機関で医師の診察を受け、間があいた理由とその間の症状を正直に伝えてください。今後の通院については医師の判断を聞き、相手の保険会社にも状況を伝えて相談しましょう。
整骨院の先生に「週に何回来てください」と決めてもらうことはできますか?
整骨院が一方的に回数を決めて通院を勧めることはしません。通院の要否と間隔の軸は医師の判断です。私たちは、医師の意見とご本人の都合をうかがったうえで、施術の予定を一緒に相談します。
回数を気にしすぎていましたが、医師に聞けばいいと分かって気持ちが軽くなりました。
それがいちばん確実な考え方です。頻度は体の状態と医師の判断で決まり、整骨院はその意見をふまえて予定を相談し、お金や示談のことは相談窓口へ、と分けて考えてください。医師と相談して整骨院での施術を受けることになった場合は、痛みの状態を確認しながら施術を行います。
院の案内
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | らいと鍼灸・整骨院 |
| 柔道整復師 | 佐藤 亮 (さとう りょう) |
| 所在地 | 東京都江戸川区東小松川2-11-9 KYSビル1F |
| 電話 | 03-5879-6685 |
| 施術時間 | 午前 8時30分〜12時30分 / 午後 15時00分〜20時00分 (土曜は 8時30分〜14時30分) |
| 休み | 日曜・祝日・水曜午後 |
| 予約 | 予約制 |
| 駐車場 | なし (近隣にコインパーキングあり) |
※この記事は交通事故後の一般的な流れを説明するものです。症状の判断は医師に、保険の取り扱いは加入先の保険会社に、示談や賠償額は弁護士などの専門家にご確認ください。制度の内容は記事作成日時点のものです。


