追突事故の被害者がやること 直後から1週間のチェック表と順番
先生、信号待ちで止まっていたら後ろから追突されました。警察も呼んで、その場はなんとか終わったのですが、帰ってきてから「次は何をすればいいんだろう」と頭が真っ白です。やることを順番に教えてもらえますか?
追突された直後は、気持ちが落ち着かないのが当然です。やることは多く見えますが、順番に並べると一つずつ片づけられます。今日は、事故の当日から最初の1週間までにやることを、時期ごとのチェック表にして見ていきましょう。それぞれのくわしい手続きは別の記事で説明しているので、必要なところだけ読みに行ってください。
1週間というのは、法律で決まった期限なのですか?
いいえ、この記事の時期の分け方は、やることを思い出しやすくするための目安です。法律や保険で決まった日数ではありません。国土交通省や日本損害保険協会の案内では、警察への連絡は事故の大きさにかかわらず必ず行うもの、医療機関の受診は「速やかに」とされています。迷ったら、表の上から順に進めてください。
最初の1週間でやることの全体像
まず、全体の流れをざっと知りたいです。
大きく分けると五つの区切りがあります。現場でやること、現場を離れたあとにやること、翌日ごろにやること、数日のうちに整えること、そして1週間の終わりに見直すことです。それぞれの中身を表にしました。印刷したり、スマートフォンで写真を撮ったりして、終わったものに印をつけていくと使いやすいと思います。
| 時期の目安 | やること | 終わったら印 |
|---|---|---|
| 当日 (現場) | けが人の確認と安全な場所への移動、警察への連絡 | □ |
| 当日 (現場) | 相手の情報を控える、事故の状況を記録する、目撃者を確認する | □ |
| 当日 (現場を離れたあと) | けががあれば、または心配なら医療機関を受診し、医師の診察を受ける | □ |
| 当日〜翌日ごろ | 自分が入っている自動車保険の保険会社に事故を報告する | □ |
| 翌日ごろ | 相手の保険会社からの連絡を受け、聞かれたことに事実で答える | □ |
| 数日のうち | 人身事故の届け出に必要なことを警察署に確認する | □ |
| 数日のうち | 交通事故証明書の申請方法を確認する | □ |
| 数日のうち | 健康保険を使う場合は、加入先に届け出が必要か確認する | □ |
| 1週間の終わり | 症状のメモ・領収書・やり取りの記録を見直す | □ |
当日 現場でやることのチェック表
現場では、何を優先すればよかったのでしょう?
日本損害保険協会は、事故が起きたらまずけが人がいないかを確認し、必要なら救急車を手配するよう案内しています。そのうえで、通行の妨げや二次的な事故を避けるため、安全な場所へ車を動かすことも挙げています。そして事故の大きさにかかわらず、必ず警察に連絡します。国土交通省も、交通事故にあった場合の警察への報告は義務だとしています。
相手の連絡先も聞いておいたほうがいいですよね。
はい。国土交通省と日本損害保険協会が、控えておく情報を具体的に挙げています。相手の氏名・住所・連絡先、車の登録ナンバー、相手が入っている自賠責保険 (車を持つ人が必ず入る保険) と自動車保険の会社名や証明書番号です。相手が仕事中だった場合は、勤務先と雇主の連絡先も控えます。
| 現場でやること | 具体的な中身 | 印 |
|---|---|---|
| 安全の確保 | けが人の確認、必要なら救急車、安全な場所への移動 | □ |
| 警察への連絡 | 事故の大きさにかかわらず連絡する。けががあるときは被害者からもそのことを説明する | □ |
| 相手の情報 | 氏名・住所・連絡先、車の登録ナンバー、自賠責保険と自動車保険の会社名・証明書番号 | □ |
| 相手が仕事中なら | 勤務先と雇主の氏名・住所・連絡先 | □ |
| 事故の記録 | 日時・場所、ぶつかるまでの経緯、現場の見取図、写真 | □ |
| ドライブレコーダー | 映像が上書きされないよう、SDカードを抜くなどして保存する | □ |
| 目撃者 | いれば氏名と連絡先を聞き、必要なら証人になってもらえるよう頼む | □ |
相手の方と直接話すのが怖かったです。
日本損害保険協会は、話しにくいときは警察官に立ち会ってもらいながら連絡先を交換するとよいとしています。名刺をもらったり、相手の同意を得て身分証明書を撮影させてもらったりする方法もあるそうです。現場でできなかったことがあっても、警察や保険会社を通して確認できる場合があるので、できた範囲で大丈夫です。
当日〜翌日ごろ 受診と保険会社への連絡
今は首が少し重いくらいなんですが、病院に行ったほうがいいですか?
けががある場合はもちろん、ないと思っても心配なら、整形外科などの医療機関で早めに医師の診察を受けてください。日本損害保険協会は、事故の直後には大したけがでないと思っても、あとから症状が出たり重いけがが分かったりすることがあると説明しています。国土交通省も、事故のあと速やかに受診しない場合には、交通事故との因果関係が認められないことがあるとしています。いつ受診すればよいか、どの診療科がよいかは、医療機関に電話で相談するのが確実です。
症状がいつ出てくるのかも気になります。
症状の出方や経過には個人差があり、私から「何日後に出る」とは言えません。けがの判断をするのは医師なので、受診のときに追突された状況と、今気になっている場所をそのまま伝えてください。後から痛みが出てきたときのことは「交通事故のむちうち症状はいつから? 後から痛むときの受診タイミング」や「交通事故で腰痛が後から出たら? 受診の順番と記録の残し方」、「交通事故の頭痛やめまいが後から出たら? 最初に医療機関へ行く理由」にまとめています。
保険会社への連絡は、受診の前と後のどちらがいいですか?
日本損害保険協会は、急いで医療機関にかかる必要があるけがの場合は受診を優先し、落ち着いてから保険会社に連絡するよう案内しています。連絡先は、相手の保険会社だけでなく、自分が入っている自動車保険の保険会社もです。追突された側でも、自分の保険会社への報告は必要だと考えてください。伝えることや聞かれることは「交通事故で保険会社に連絡するとき何を伝える? 聞かれることの一覧」に一覧にしました。
| 当日〜翌日ごろにやること | ひとことメモ | 印 |
|---|---|---|
| 医療機関で医師の診察を受ける | 追突された状況、痛む場所、事故の日時を伝える | □ |
| 受診先の名前と受診日を控える | 保険会社や警察に聞かれたときに答えられるように | □ |
| 自分の保険会社に事故を報告する | 保険証券など契約内容がわかる資料と相手の情報を手元に | □ |
| 相手の保険会社からの連絡を受ける | 担当者名と連絡先を控え、聞かれたことに事実で答える | □ |
| 費用を自分で払ったら領収書を残す | 請求には領収書の原本が必要と案内されている | □ |
通勤の途中だったのですが、何か違いはありますか?
通勤中の事故では、労災保険を使えるかどうかも関係してきます。どちらを使うかの考え方は「通勤中の交通事故は労災と自賠責どちらを使う? 選び方と手続きの順番」で説明しているので、勤務先にも早めに伝えておくと安心です。
数日のうちに 書類と記録を整える
警察の方からは「物損で受け付けた」と言われた気がします。けがをしているのに、このままでいいのでしょうか?
国土交通省は、特にけがを負った場合は「人身扱い」の届け出が重要だとしています。日本損害保険協会も、当初は物損事故として手続きが済んでいても、治療が必要であれば医療機関を受診したうえで人身事故扱いに切り替えてもらうことが大切だと説明しています。切り替えの手順は「物損事故から人身事故への切り替えはなぜ必要? 理由と手順の順番」に、警察へ出す書類のことは「交通事故の診断書を警察に提出するタイミングは? 取り方と順番」に書いています。
交通事故証明書というものも必要になると聞きました。
国土交通省によると、交通事故証明書は自動車安全運転センターが発行する書面で、交通事故にあったことを公的機関が証明するものです。自賠責保険の請求などで必要になるため、早めに交付を受けるよう案内されています。人身事故の場合、事故発生から5年が経過すると原則として交付されないとされているので、直後に必要がなくても取得しておくと安心です。申請書は警察署や交番、損害保険会社などでもらえ、郵送・窓口・インターネットで申し込めると案内されています。
健康保険証を使って受診してもいいのですか?
交通事故のように他人の行為でけがをしたときに健康保険を使う場合は、加入している保険に届け出が必要になることがあります。たとえば江戸川区は、国民健康保険の人が交通事故でけがをしたとき、「第三者行為による傷病届」を出すことで国保を使って受診できるとし、受診する前に必ず国民健康保険給付係へ連絡するよう案内しています。会社の健康保険などに入っている人は、加入先に確認してください。
| 数日のうちにやること | 確認先 | 印 |
|---|---|---|
| 人身事故の届け出に必要なことを確認する | 事故を届け出た警察署 | □ |
| 交通事故証明書の申請方法を確認する | 自動車安全運転センター、警察署、保険会社 | □ |
| 健康保険を使うなら届け出が必要か確認する | 加入している健康保険 (江戸川区の国保は国民健康保険給付係) | □ |
| 仕事を休んだ日を記録する | 自分のメモ、勤務先 | □ |
| 保険会社から届いた書類の中身を確認する | 分からない欄は担当者に聞く | □ |
1週間の終わりに 通院と記録を見直す
1週間たったら、何を確認すればいいですか?
この時点で一度、表の印がついていないところを見直してください。そのうえで、今の症状と通院の予定を確かめます。医師に言われた次の受診日や、痛みの変化を医師に伝えられているかを確認しましょう。症状の経過には個人差があるので、ほかの人と比べず、自分の状態を医師に伝えることが大切です。
仕事の都合で、家の近くの整骨院にも通えたらと思っているのですが。
整骨院への通院を考えるのは、医療機関で医師の診察を受けたあとです。日本損害保険協会は、医療機関以外では画像検査ができない場合があり、後遺障害に関する診断も受けられないため、整骨院などでの施術を希望する場合は医師と相談するのがよいとしています。医師に相談したうえで、保険会社にも伝えてから通い始めてください。併用の順番は「交通事故で整骨院と整形外科を併用する正しい順番と注意点」に、施術費が自賠責保険の対象になる条件は「交通事故で整骨院に自賠責は使える? 対象になる条件と流れ」にまとめました。
| 1週間の終わりに見直すこと | 確認のしかた | 印 |
|---|---|---|
| 表の中で終わっていない項目 | 印のない行をもう一度確認する | □ |
| 今の症状と次の受診日 | 痛みの変化を医師に伝えたか、次の予定はいつか | □ |
| 整骨院への通院を考えているか | 考えているなら医師に相談し、保険会社にも伝える | □ |
| 領収書と交通費のメモ | 日付・区間・金額がそろっているか | □ |
| 保険会社とのやり取りの記録 | 担当者名、聞かれたこと、届く予定の書類 | □ |
| 相談したいことの整理 | 症状は医師、保険は保険会社、示談は弁護士や相談窓口 | □ |
ひとりで抱え込まないための相談先
相手の保険会社と話していて、納得できないことが出てきたらどうすればいいですか?
示談や賠償額の判断は、柔道整復師である私ではなく、弁護士などの専門家の領分です。江戸川区では、交通事故に遭った人や起こした人のために、法律や判例などに基づく相談を受け付けています。2026年10月時点の区の案内では、交通事故相談員 (元警察官) による面談相談が月曜日から木曜日 (金曜日・祝休日を除く) に行われ、事前に電話で予約するとされています。オンラインでの相談もできると案内されているので、日時や方法は区の窓口に確認してください。
| 困りごと | 相談先の例 |
|---|---|
| 症状や通院について | 整形外科などの医療機関の医師 |
| 保険の使い方や手続き | 自分の保険会社、相手の保険会社 |
| 損害賠償や示談の進め方 | 江戸川区の交通事故相談 (施設管理課交通安全推進係)、弁護士 |
| 国民健康保険の届け出 | 江戸川区 国民健康保険給付係 |
よくある質問
追突されたのが夜で、その日のうちに医療機関に行けませんでした。大丈夫でしょうか?
受診できる時間になったら、なるべく早く医療機関に連絡して受診してください。国土交通省は、事故のあと速やかに受診しない場合には交通事故との因果関係が認められないことがあるとしています。急に具合が悪くなったときは、ためらわずに救急の対応を求めてください。
現場で相手の保険会社の名前を聞きそびれてしまいました。
日本損害保険協会によると、相手が対人賠償責任保険に入っている場合は、加害者が自分の保険会社に事故を伝え、その保険会社から被害者に連絡が来る流れが一般的です。まずは自分の保険会社に事故を報告し、聞きそびれたことも伝えて相談してください。
痛みが軽いので、届け出は物損のままでもいいでしょうか?
痛みの重い軽いを自分で決めず、まず医療機関で医師の診察を受けてください。そのうえで治療が必要になれば、日本損害保険協会は人身事故扱いに切り替えてもらうことが大切だとしています。どう手続きするかは、事故を届け出た警察署に電話で確認するのが確実です。
表を見ながら、終わったものに印をつけていけばいいんですね。明日、まず自分の保険会社に電話してみます。
それで十分です。症状のことは医師に、保険の取り扱いは保険会社に、示談のことは弁護士などの専門家に、と相談先を分けておくと迷いにくくなります。分からないことが出てきたら、表に書き足して一つずつ確認していきましょう。
院の案内
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | らいと鍼灸・整骨院 |
| 柔道整復師 | 佐藤 亮 (さとう りょう) |
| 所在地 | 東京都江戸川区東小松川2-11-9 KYSビル1F |
| 電話 | 03-5879-6685 |
| 施術時間 | 午前 8時30分〜12時30分 / 午後 15時00分〜20時00分 (土曜は 8時30分〜14時30分) |
| 休み | 日曜・祝日・水曜午後 |
| 予約 | 予約制 |
| 駐車場 | なし (近隣にコインパーキングあり) |
※この記事は交通事故後の一般的な流れを説明するものです。症状の判断は医師に、保険の取り扱いは加入先の保険会社に、示談や賠償額は弁護士などの専門家にご確認ください。制度の内容は記事作成日時点のものです。



